不変

作 Verse

変わらない 河が流れる
だが、河は河のままで
旗を掲げるあの敵陣
向こう側へスコープ定める

凝らす程に動く片目
背後から吹く不穏な風
航るあの花が、どこまで行けど
桜の花のはずなのだが

木はやがて森となる
時も経つと木は土地を去る
人はすぐに鳥となる
天を目指し翔び星となる


兎にも角にも輪廻
こればかりは変わる事ない
コンテキストのキロメーター
自分 → 地元 → 日本 → 世界

拳 Verse

絶え間なく到来
次々に交代
『いま』の前はもうない
語られない境界

過去と今の正体
同時にある脳内
想起が呼ぶ問題
世界への誤解

年表的世界像は幻想
客観的世界へのエンコード
「過去はない」そこに逆らい
時間を空間化する誤ち

概念に置き換えていく変化
事象の束をねじ曲げてレンダー
変わらずに同じ世界にいる錯覚
一つの楔を抜けば崩れ去った

万物は流れる 反復は無く
アングルが変わり破綻する画角
言葉を捨て今、世界が見えている
『いま』湧き出し消えていく

作 Verse

自然は雄大 何も語らず
区別などの理念なく立つ
人は臆病で知りたがる
馬鹿だから身に余る

分かる為に細かく分ける
名前をつけて細かく分ける
見えない境界で閉ざす壁
意味無い違い もたらすだけ

結果、生まれたアイデンティティ
って言葉が鎖に 紛れぬ事実
だから俺は囚われる事なく
何も躊躇わず自分を変えちゃう

受動より与える変化
自ら探す炎天下
顕在化 日々の観察から
おねだりして待つ番は無い